耳鼻咽喉科展望
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鼻ネブライザー療法の展望
抗菌薬の開発
大野 伸晃
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キーワード: ネブライザー, 抗菌薬
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2007 年 50 巻 Supplement3 号 p. 138-141

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抄録
副鼻腔炎に対するネブライザー療法は, 耳鼻咽喉科臨床の場において広汎に行われる治療のひとつであり, 中鼻道開大処置とあわせて行うことが有効とされている。一方で実際の疾患に対する有効性についての確固たるエビデンスは未だ少なく, 新規薬剤の開発も臨床治験での様々なハードルから進行していないのが現状である。一方, 近年薬剤の投与経路として, DDS (Drug delivery system) が注目を集めている。ネブライザー療法では鼻粘膜および副鼻腔粘膜局所への薬剤送達が可能であるため, 経口や静脈投与と比べてより高い臨床効果が期待できる。さらにはナノテクノロジーにより粒子自体の形状をデザインすることで, 効果をより効率よくかつ持続させることも可能となりうる。これらの技術を用いた “新しいネブライザー抗菌薬” について文献的考察を含め検討した。
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