埼玉県立自然史博物館研究報告
Online ISSN : 2433-8567
Print ISSN : 0288-5611
原著論文
秩父盆地の子ノ神層(中新統)から産出した甲殻類等脚目 Bathynomus undecimspinosus (ジュウイチトゲオオグソクムシ)
小幡 喜一
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2006 年 23 巻 p. 1-9

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抄録
埼玉県秩父郡皆野町大字大渕の中部中新統,小鹿野町層群子ノ神層から保存良好な甲殻類化石 Bathynomus undecimspinosus (ジュウイチトゲオオグソクムシ)が3個体発見された.これらの化石は体の後部の胸節,腹節,および腹尾節が保存されている.
B. undecimspinosus は中国地方~北海道南西部の下部中新統最上部~中部中新統下部から報告され,腹尾節後縁に11本の棘をもつと記載されていた.しかしながら,これまでの標本の棘数にはばらつきがあった.今回発見された化石のうち1個体は,腹尾節後縁の棘の5対目が微小で,11本と9本の中間的な標本である.これをもとに,腹尾節後縁の棘の数は11本または9本であると再定義する.
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© 2006 埼玉県立自然の博物館
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