Otology Japan
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原著論文
ターナー症候群に合併した進行性難聴
中山 次久宮崎 日出海
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2010 年 20 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

ターナー症候群は、性腺機能不全、低身長、翼状頸、外反肘等の症状を呈し、出生約2000 人の女児に対して1人の割合で発症するとされ、一般的な合併症として、反復性中耳炎、慢性中耳炎、外耳奇形、感音難聴などの様々な聴器障害を呈することが知られている。今回我々は、ターナー症候群に合併した進行性難聴の1例を経験したので報告する。
症例は46 歳女性。めまいを主訴に受診し、その後変動する両側混合性難聴とめまい発作を繰り返した。内リンパ水腫を疑い加療を行っていたが難聴は徐々に進行し、経過中にターナー症候群と診断された。
中年期以降のターナー症候群においては高い確率で難聴が認められる。難聴が進行した場合には早期の補聴器装用が望ましく、定期的な聴力検査による経過観察が必要である。近年、エストラジオールと難聴の関連が示唆されており、本症例も子宮筋腫に対して子宮全摘、右付属器切除後より難聴の進行の訴えがあったため、手術後のエストラジオールの低下が難聴の進行の一因と考えられた。

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© 2010 日本耳科学会
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