抄録
アブミ骨手術の術後聴力成績は日本耳科学会の聴力改善の成績判定(2000年案)を用いている施設が多い。しかし成功率が高くなりすぎること、高音域の聴力が考慮されていないこと、術後気骨導差の算定方法、海外の判定基準との相違など問題がある。
今回術後成績を2000年案と米国耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(AAO-HNS)のガイドラインとで比較し、採用周波数や平均聴力の算出法、術前・術後骨導閾値の採用などパラメーターを変えて検討を行った。結果、2000年案での成功率はAAO-HNSガイドラインよりも有意に高かった。平均聴力レベルの採用周波数は0.5、1、2kHzの3分法平均と3kHzおよび4kHzを加味した4分法ともに術後成績に影響を及ぼさなかった。また術後気骨導差の算出において術前、術後どちらの骨導聴力を用いても成績に差はなかった。
さらにAmsterdam hearing evaluation plotによる聴力成績の表示を試み、個々の症例の結果を視覚的に知ることができ有用であった