Otology Japan
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原著論文
耳症状を主訴として初診したANCA関連血管炎症候群症例
矢間 敬章長谷川 賢作國本 泰臣田口 大蔵畠 史子北野 博也
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2011 年 21 巻 2 号 p. 149-155

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抄録
1997年4月から2007年5月までの10年間に、耳症状を訴えて当科を初診したANCA関連血管炎症候群症例は5例であった。ANCA関連血管炎症候群の典型例は別として、限局型ANCA関連血管炎症候群は特徴的な症状に乏しいことがあり、病理検査で必ずしも特徴的な肉芽腫所見や血管炎所見を認めないことから確定診断は容易でない。限局型の症状で発症した場合、確定診断の困難さゆえ治療開始時期が遅れ聴力損失が増大することがある。難治性中耳炎の鑑別としてANCA関連血管炎症候群を念頭に置き、採血検査ではPR3-ANCAとMPO-ANCAを検査すること、またANCA陽性例では早期に全身スクリーニングを行うこと、肉芽腫病変が見つかれば、十分に組織が採取できる部位を選ぶことが重要である。また臨床症状によっては、他科との連携を密にして治療開始時期を逸しないよう留意する必要がある。
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© 2011 日本耳科学会
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