抄録
遺伝子で規定されている耳垢の性状 (乾性、湿性) が中耳真珠腫の発症頻度と関係しているかを検討する目的で、中耳真珠腫症患者の耳垢の一塩基多形 (SNP) を調査した。その結果、中耳真珠腫症の156名のうち40名 (25.6%) が湿性耳垢であり、健常者では372名中59名 (15.9%) が湿性耳垢であった。また真珠種の進展度と耳垢型との関係についても検討したが、明確な関連は認められなかった。中耳真珠腫の患者では湿性耳垢の割合が健常人と比較して有意に高かったが、どのようなメカニズムで耳垢が真珠腫の発症に関係しているかは今後の検討課題であろう。