抄録
本研究は、外耳道後壁の破壊程度を数値化し、骨部外耳道長を基準としてその比率を算出し、stageIIICW症例を抽出することを目的としたものである。弛緩部型中耳真珠腫症例を対象として、外耳道後壁の破壊程度をCT画像を用いて客観的に評価することを試みた。結果、CT上骨部外耳道前壁長の1/2程度の外耳道後壁破壊を認めた症例は臨床的にもStageIIICWと診断されていた。また、簡易的に鼓膜前後径と同程度の外耳道後壁破壊を認めた症例もStageIIICWと診断可能と考えられた。外耳道後壁の破壊程度を術前に評価する客観的な方法として本計測法が有用であると考えられた。