Otology Japan
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原著論文
特発性髄液耳漏の1例
山本 季来金丸 眞一辻 拓也窪島 史子金井 理絵西田 明子
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2014 年 24 巻 1 号 p. 28-33

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抄録
一般的に髄液耳漏は頭部外傷・腫瘍性疾患・炎症性疾患・手術後の合併症などが主な原因と考えられているが、これらの既往がなく、内耳正常の成人型特発性髄液耳漏は極めて稀である。今回我々は難聴・頭痛・めまい・鼻漏を主訴に当科を受診した特発性髄液耳漏に対して乳突開放術を行い、確定診断かつ治癒に至った症例を経験した。術前のCT、3D-CT、造影MRI、脳槽シンチグラフィーなどの複数の検査結果に基づく疾患部位の予測が、術前診断かつ治療方針決定に非常に有用であった。また本症例は術中診断で脳ヘルニアの状態にあったが、経乳突法のみで頭蓋底再建が可能であった。
術後は聴力・頭痛・めまいの改善を認め、約1年4カ月経過したが明らかな再発を認めていない。
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© 2014 日本耳科学会
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