Otology Japan
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原著論文
めまいを主訴として外来受診した中枢性めまい患者の検討
坪田 雅仁將積 日出夫中川 肇渡辺 行雄
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2014 年 24 巻 5 号 p. 792-797

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抄録

めまいは外来受診における最も多い主訴の1つであり末梢性のものが多いが、脳血管障害あるいは腫瘍による中枢性のめまいも存在するため鑑別診断に注意を要する。今回我々は2009年10月から2012年3月に上越総合病院耳鼻咽喉科外来にめまいを主訴として受診した774例のうちCTやMRIで明らかな中枢性病変を指摘できた7例について報告する。7例のうち中枢性障害を疑う眼振所見が見られたのは1例のみであり、2例は末梢性めまいでも生じうる眼振所見であった。残りの4例については初診時に眼振は認められなかった。糖尿病・高血圧・高脂血症などの脳梗塞のリスクファクターとなる合併症が7例中5例で認められた。歩行できる症例では失調性歩行や体幹失調が全例に認められた。このことから、耳鼻咽喉科医として中枢性めまいを疑うポイントは既往歴、眼振所見、失調性歩行および体幹失調の3つが重要であることが挙げられた。

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© 2014 日本耳科学会
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