2015 年 25 巻 2 号 p. 167-173
中耳真珠腫の進展度分類の活用法を論じるにあたり、当科の症例をretrospectiveに検討して分類が困難な症例に着目し検討した。2009、2010年の2年間に当科で初回手術を行なった中耳真珠腫新鮮例は118耳あった。内訳は、弛緩部型65耳 (55.1%)、緊張部型20耳 (16.9%)、二次性10耳 (8.5%)、先天性11耳 (9.3%) で、分類不能は12耳 (10.2%) であった。
分類不能は、「弛緩部型」と「緊張部型」の合併した「混合型」の症例、真珠腫本体の他に非連続性の真珠腫塊を認め真珠腫が多発している「多発型」の症例、「その他」の大きく3群に分けられた。
「混合型」、「多発型」の症例を提示し、アナライザーを用いた聴衆参加型のパネルデスカッションの回答を提示し、真珠腫の病態も含め検討した。