Otology Japan
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パネルディスカッション1
鼓膜再生療法の保険適用に向けてのハードル
金丸 眞一金井 理絵尾前 薫
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2016 年 26 巻 2 号 p. 85-91

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抄録

新規治療法の開発と実用化には、数多くの問題点と乗り越えなければならないハードルがある。開発から実用 化への過程の初期の段階では、特許申請を学会や論文の発表よりも優先することが重要であり、それに伴ってパートナー企業を見つけることが最も重要な課題となる。そのためには、単なる良い治療の開発というだけでなく、企業にとっても魅力ある長期的な視点に立った戦略を持たねばならない。また、医師単独では限界があることを知り、優れた専門家集団の組織を構築することが不可欠である。このためには、アカデミア、先端医療振興財団、PMDAなどの支援組織に戦略相談を行うのもよい方法である。

開発者である医師・研究者は、つねに『人類に貢献する新しい治療法を世に送り出すという強く高い志』を忘れずに、支援組織や企業の担当者と密に意思疎通を図り、新治療法の発展性を模索し、互いに新治療法の実用化への熱意を保ち続ける努力を怠ってはならないと思われる。

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© 2016 日本耳科学会
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