Otology Japan
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ランチョンセミナー4
聴覚脳機能イメージング―up to date―
南 修司郎
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2018 年 28 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

コルビニアン・ブロードマンは大脳皮質の層構造の差異に注目し、大脳を52の領野に区分するブロードマン脳地図を1909年に発表した。脳機能イメージングとは、生きている脳内の各部の生理学的な活性を様々な方法で測定し画像化することであり、医用画像装置の進歩と共に発展してきた。聴覚脳機能イメージングで20世紀後半にまず登場したのは、脳波である。80年代に事象関連電位が、90年代初めにMEG, PET, SPECT、90年代後半にfMRIが登場する。セントルイス・ワシントン大学医科大学のデイビッド・ヴァン・エッセン氏らのチームは何百もの人間の脳MRIデータをもとに、脳を180の部位に分けた新しい脳地図を作り注目されている。また我々は耳鳴患者に対し安静時fMRI検査を行い、聴覚関連領域のみに注目することにより、感度86%、特異度74%で耳鳴の客観的診断が可能となっている。

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© 2018 日本耳科学会
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