2018 年 28 巻 1 号 p. 15-18
薬物動態の生体モニタリングに関する研究の報告は少ない。薬物投与後の生体下の内耳における薬物の時間経過、動態は未知のままである。例えば、投与量がその内耳に到達する量と相関するかどうかは不明である。われわれは、生存マウスにおける薬物動態をモニターするための新しい生体内イメージングシステムを確立した。得られたシグナルのピークは、全身投与後よりも局所注入(鼓室内投与)後で早くみられた。注入された薬物量は、内耳で測定されたシグナル数と有意に相関した。すなわち全身投与された薬物量を増加させると、内耳に到達した薬物濃度が増加した。この研究は生体下内耳薬物動態やドラッグデリバリーシステムを検討する上で有用である。