Otology Japan
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シンポジウム1
両側人工内耳の現状と未来
神田 幸彦
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2019 年 29 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

日本における人工内耳(以下CI)小児の実態調査からCI小児症例は増加し,両側CI(以下BCI)症例も増加傾向にある.両側CIの効果は初回人工内耳よりも静寂時,雑音下においても語音明瞭度が優位に改善され,また方向性の改善や逐次CI側からの聴取の改善,耳鳴の改善など有効な報告が多い.一方で一側ろうの症例のハンディキャップも近年クローズアップされ,海外では一側ろうへのCIも開始され有効性も報告されるようになってきた.BCIすなわち両耳聴の効果を挙げ,BCI装用児の通常学校就学率(82/100 = 82%)を述べる.インターバルの統計から導き出された逐次CI手術時期のcritical periodや同時・逐次CIへの考え方などを言及し,BCIや両耳聴の未来について考察する.

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© 2019 日本耳科学会
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