Otology Japan
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シンポジウム4
遠隔マッピングの現状と展望
高野 賢一
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2022 年 32 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

人工内耳装用者にとって,最適なマップを得るために人工内耳フィッティング(マッピング)が重要であるが,専門職種や専門医療機関は限られており,遠方から受診することが装用者やその家族にとって負担となっていた.さらに新型コロナウイルス感染症拡大により,移動や受診に伴う感染リスクおよび対面診療による医療従事者の感染リスク軽減の観点から,遠隔医療の導入が加速している.われわれは広大な面積をもつ北海道において,2018年から遠隔マッピングに取り組んでいる.対象遠隔地に在住の装用者は地元の病院を受診し,ビデオチャット用とマッピング用のそれぞれの端末を,大学病院サイトと遠隔サイトでインターネットを介して結び,対面式と遜色ない遠隔マッピングを実施できている.マッピング用ソフトウェアのアップデートにより,概ね常時装用ができている装用者であれば,未就学児も含めて遠隔マッピングの適応が拡がりつつある.

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© 2022 日本耳科学会
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