2022 年 32 巻 2 号 p. 246-252
経鼓膜チューブ留置が複数回必要になる症例や鼓膜アテレクターシス症例などに対し,subannular tube(SAT)留置は長期留置が可能,また脱落後の穿孔のリスクが少ないなどの利点が指摘されているが,長期留置できない症例も経験する.このため,鼓膜換気チューブ脱落または抜去後に生じた鼓膜穿孔やアテレクターシス,癒着性中耳炎に対しSAT留置と軟骨鼓膜形成術を同時に施行した.この術式を施行した4耳の小児症例の経過について検討報告した.
結果,意図しない人為的抜去があった1耳を除き,580–695日でチューブは維持され,穿孔拡大や再陥凹などの合併症は生じなかった.
今回示した軟骨鼓膜形成術を併用したSAT留置は経鼓膜的な長期留置型チューブの合併症を回避するものとして代替になる可能性がある.