2022 年 32 巻 2 号 p. 253-257
外耳道に限局したアミロイドーシスは,外耳道の腫瘤性病変の鑑別診断の対象となり,これまでもいくつかの報告がなされているが,比較的稀であるため一般的に広く知られるには至っていない.今回われわれが経験したのは70歳代女性.当院初診時,両側外耳道皮膚に小腫瘤病変を多数認めた.病理所見では上皮下に好酸性無構造物質を認め,ダイロン染色で赤橙色を呈したことからアミロイドーシスの診断となった.その後全身の検索を行うも他病変を認めず,外耳道に限局した皮膚アミロイドーシスと判断した.特に治療はせず,定期清掃と経過観察を行っているが,縮小傾向にはあるが完全消失には至っていない.
皮膚科領域ではナイロンタオルやブラシの長期使用で,摩擦部に一致してアミロイドが沈着することが広く知られている.本症例のような外耳道アミロイドーシスの成因には,習慣的耳かきなどの慢性的な機械刺激の関与があるのではないかと考えられる.