2025 年 35 巻 2 号 p. 89-93
外耳・中耳の処置は耳鼻咽喉科外来における基本手技であり,特に耳漏を伴う場合には,その原因を的確に診断し,適切な処置を行うことが重要である.適切な診断と処置によって,薬剤投与のみでは得られない早期改善が期待できる.処置には,顕微鏡下または内視鏡下での診察と,顕微鏡下での手術器具を用いた丁寧な操作が求められる.耳漏がある場合,基本処置(培養検査,洗浄,吸引,清拭,肉芽処置)を行った上で,適切な薬剤を投与する.疾患別に耳漏の原因となる病変部は異なるため,耳漏を除去した後に,外耳道や鼓膜,鼓膜穿孔からみえる鼓室内をよく観察する.また,術後耳では,耳小骨,外側半規管,顔面神経などの重要な構造物が露出している場合もあり,慎重に対処する.耳科医にとって外来処置は診療技術を磨く場であり,安全かつ確実な処置を心がけることが求められる.