2003 年 72 巻 10 号 p. 1268-1275
人間のようにしなやかな情報処理のできる電子システム実現をめざした,新たなプロセッサーアーキテクチャーの研究を紹介する.われわれが日常生活においてものごとを柔軟に認識w・w判断できるのは,無意識のうちに,過去に経験した膨大な記憶の中から最もよく似た事例を思い出して処理しているからではないか.こんな考えに基づき,四則演算を基本とする現在のCPUに対し,「連想演算」を基本とする心理学的脳モデルVLSIシステムを開発している.一例として,MOSデバイスの非線形特性を用いて連想処理を実現したアナログVLSIと,PPED法と呼ぶロバストな画像ベクトル表現アルゴリズムの組み合わせで,ヒトの感性に近いパターン認識や専門医の行う医用X線写真解析が可能なことを示す.