2004 年 73 巻 1 号 p. 41
単一磁束量子を利用したジョセフソンデバイスと,トンネル電子の帯電効果を利用した単一電子デバイスとの間には,ある種の双対性がある.本稿では,筆者が単一電子ポンプとの双対性からヒントを得て開発した単一磁束量子ポンプについて紹介する.単一磁束量子ポンプでは,位相差のある二つのゲート磁束信号を印加することにより,ゼロバイアスもしくは逆バイアス条件下においても,磁束量子を「くみ上げる」ように駆動することができる.ポンプ動作時には,電流−電圧特性上に,ゼロバイアス電流軸を横切るシャピロステップが発生する.単一磁束量子ポンプの動作原理,デバイスの試作と測定結果,プログラマブル電圧標準応用への利点と課題について述べる.