2004 年 73 巻 7 号 p. 943-946
新エネルギー源としてのメタンハイドレート(MH)は,低温高圧下の安定条件を満たす深海底に存在している.実験室でMHを生成し,その高圧物性を研究することは,応用上も有意義である.MHはH2Oで構成されるナノサイズのカゴ構造(ホスト)をもち,その中にゲスト分子メタン(CH4)が包接され,典型的なホスト・ゲストの関係を示す.ダイヤモンドアンビル高圧セル中に,MH単結晶を作製し,顕微鏡目視観察やラマン散乱測定により,高圧力下のCH4 ゲストのカゴ占有性や圧力誘起相転移,構造安定性を明らかにする.