応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
光駆動高分子液晶フィルム
−光で自由に曲がるプラスチック−
池田 富樹兪 燕蕾中野 誠
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2004 年 73 巻 7 号 p. 947-951

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抄録

架橋フォトクロミック液晶高分子膜に紫外光を照射すると,高分子膜が光の照射方向に90度以上屈曲し,可視光を照射すると,元の平らな状態に戻ることを見いだした.さらに,直線偏光を用いると,偏光方向に高分子膜が屈曲するので,任意の方向に曲げることができることを初めて示した.これらの現象はいずれも分子が光を吸収して変形し,協同現象により膜全体の変形を引き起こすと考えられ,電池・太陽電池などのエネルギー源やギア・ベルトなどの駆動部分を使わずに,光エネルギーを直接機械エネルギーに変換して屈曲運動を誘起した世界最初の例である.新しいエネルギー変換方法としても,注目されている.

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© 2004 公益社団法人応用物理学会
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