2005 年 74 巻 10 号 p. 1316-1321
最近,固体表面上の単層吸着種について,超短パルス光励起による振動コヒーレンスや表面フォノンのコヒーレンスを時間領域で観測することが可能となってきた.これは,さまざまな表面化学反応素過程の時間領域観測や光による制御を目指すうえで重要な進展である.本稿では,その中心となるフェムト秒時間分解第2高調波測定を取り上げ,アルカリ金属原子(CsおよびK)を単層吸着したPt(111)表面における振動コヒーレンス(コヒーレントフォノン)ダイナミクスの研究を中心として,この分野の最近の進展について解説する.