2005 年 74 巻 12 号 p. 1603-1608
表面プラズモン共鳴分光法は,金属薄膜表面の情報を高感度に得ることのできる光学測定法である.電気化学と組み合わせた場合,金属薄膜は表面プラズモン共鳴励起と同時に作用電極としての役割を果たすことができる.このため,金属薄膜上に堆積する導電性高分子薄膜などをその場測定することにより,電気化学・光学特性を詳細に測定でき,ドーピング−脱ドーピング状態の段階的な制御やナノメートルオーダーでの膜厚制御を行うことができる.また,両方の情報を高感度に同時検出できることから,この系を用いた高感度なバイオセンサーや化学センサーへの応用も可能となる.