2005 年 74 巻 2 号 p. 147-159
フォトニック結晶は,光を自在に制御可能な光ナノ構造として,現在,大きな注目を集めている.周期的な屈折率分布により発現するフォトニックバンド構造のギャップ,バンド端,透過バンドのそれぞれに着目して,各種のエンジニアリングを施すことにより,さまざまな光の制御が可能となる.これらに加え,最近,導入されたフォトニック・ヘテロ構造の概念により,フォトニック結晶工学はさらなる広がりをみせている.本報告では,最近の著しいフォトニック結晶研究の進展について紹介するとともに,今後の展望について述べる.