2005 年 74 巻 3 号 p. 343-348
量子ドットの自己形成手法として,筆者らが提案し「液滴エピタキシー」と名づけた手法と,この手法により作製された量子ドットの光学的性質の解明に関する最近の研究成果を,格子整合系であるGaAs/AlGaAsの場合を例にとって紹介する.この方法によれば,ひずみ系にしか適用できないS-K型薄膜成長機構を利用する通常の方法とは異なり,ひずみ系,格子整合系を問わず,多くの材料において量子ドットを作製することができ,またぬれ層のない量子ドットを作製することもできる.さらに,量子ドットの形状もピラミッド状あるいはリング状などに制御することができる.