長距離光通信用半導体には,InP基板上で1300〜1610nmの波長帯が実現できるGaInAsP系やAlGaInAs系材料が,これまで用いられてきている.近年,都市内・企業内の中距離〜近距離のメトロ系ネットワークや,家庭を結ぶ短距離のアクセス系ネットワークにおいて,外部環境温度の変化に対して耐力のある温度特性に優れた素子の実現が期待されている.その要求に応えるべく,伝導帯のバンド不連続の大きなGaAs基板上のGaInNAs系材料が注目されており,レーザー素子で温度特性の改善が報告されている.これらの材料系の特性を紹介するとともに,レーザーの活性層に適用した場合の特徴を解説する.