2006 年 75 巻 12 号 p. 1445-1452
コレステリック液晶,カイラル・スメクチック液晶などのカイラル液晶は,スパイラル状の分子配列を形成する場合があり,その周期は分子設計により100nm程度から数百μm以上の広範囲に及ぶ.そこで,光の波長程度のらせん周期構造を形成するカイラル液晶を一次元フォトニックバンド材料ととらえた研究が進んでいる.本報告では,コレステリック液晶,強誘電性液晶(カイラル・スメクチック液晶),高分子コレステリック液晶における一次元フォトニックバンド特性を紹介し,それに基づくレーザー発振とその発振波長の電界などによる制御に関して紹介する.さらに,らせん周期構造に特徴的な欠陥構造の導入と光局在モードについても紹介する.