2006 年 75 巻 5 号 p. 565-569
有機半導体材料は元来塗布による薄膜形成が可能であるため,プリンタブルトランジスタへの展開が期待されている.有機半導体材料であるペンタセンはアモルファスシリコン並みの移動度を示し,有機トランジスタへの検討が進められているが,これまでこの材料の難溶性により,塗布薄膜形成が困難と考えられてきた.最近,ペンタセンの可溶化が可能となり,この溶液塗布形成により,高結晶性薄膜と良好なトランジスタ特性を発現することがわかった.この可溶化と薄膜化の手法,形成した薄膜の構造,トランジスタ特性を説明するとともに,溶液からの有機半導体結晶成長機構について考察する.