2007 年 76 巻 11 号 p. 1279-1282
九州産業大学21世紀COE「柿右衛門様式陶芸研究センタープログラム」は,日本が伝統的な文化財として世界に誇る柿右衛門様式磁器について,意匠,技法,歴史の3部門から総合的に研究し,その成果を大学院の陶芸専攻のカリキュラムに生かすものである.研究活動として,オランダ東インド会社による肥前磁器輸出の解明の研究,国内と欧州所在の柿右衛門様式磁器の調査とコレクション内容の比較研究,古陶磁器の科学的分析と再現研究,肥前磁器文様のデータベース構築と土型の計測などの事業を現在推進しつつある.本稿では,これらの事業内容を紹介するとともに,技術と芸術の関係について言及する.