陽電子放射型断層画像診断(PET)装置は,がんや脳血管障害,認知症などの早期発見に大きく貢献している.従来技術では,陽電子が消滅する際に消滅放射線の検出感度と位置情報精度の両立に課題があり,PETの潜在能力を十分引き出すことができなかった.この課題を克服するために,高感度と高解像度を両立する三次元放射線位置検出器を新規に開発した.新規検出器は,検査対象に近接させても解像度が低下しないことが大きな特長である.これを実装した次世代の頭部用PET装置を試作し,従来の装置に比べて3倍の感度と1.5倍の解像度を達成することに成功した.