2008 年 77 巻 4 号 p. 421-425
金ナノ微粒子などの金属ナノ構造は,可視領域の光と共鳴を起こす局在表面プラズモン(LSP)によってバルクの金とは異なる光学特性を示す.近年,LSPによる電場増強効果を利用した微弱な光学現象の増感や発色団による標識なしでの生体分子のセンシングが注目を集めている.本稿では,単一の金ナノ微粒子よりも強いLSP共鳴を示す疑似2量体構造(SIGN)による光第2高調波(SH)の増感,そして増感したSHによる生体分子の高感度非標識センシングについて紹介する.