2009 年 78 巻 2 号 p. 130-135
反転対称心をもたない結晶に磁気秩序が現れると,従来の磁気光学とは異なる種類の光学現象を示す.例えば,光の伝搬方向の反転に伴って,無偏光あるいは直線偏光の吸収係数が変化することがある(方向二色性).この現象は電気磁気効果が光の振動数領域で現れたものとみなされ,電気磁気光学効果あるいは光学的電気磁気効果などと称される.最近,メタホウ酸銅(CuB2O4)が9〜20Kの温度領域で大変大きな方向二色性を示すことを見いだした.光子エネルギーが1.405eVで電場ベクトルがc軸に垂直な光について,伝搬方向の反転に伴い吸収係数がおよそ3倍変化する.また,方向二色性が大きくなる光の伝搬方向と磁化の向きの間に,結晶構造の対称性に基づく特殊な関係があることも明らかになった.