2009 年 78 巻 3 号 p. 231-235
結晶性MgOトンネル障壁を有する磁気トンネル接合をベースとした磁気抵抗型メモリーが注目を集めている.従来,低い磁気抵抗比,大きな書き込み電流のためメモリーとしての用途は限定されていた.しかし,巨大な磁気抵抗比を示すMgO系磁気トンネル接合の登場と,新しい物理現象であるスピントルク磁化反転に基づく低電力書き込み技術の提案により,高密度不揮発メモリーへ実現の可能性が開けた.本稿では,MgO系磁気トンネル接合の開発の経緯,スピントルク磁化反転の物理およびメモリー開発の現状について述べる.