2010 年 79 巻 6 号 p. 502-507
X線自由電子レーザー(XFEL)はX線領域に至る極短波長レーザーを実現する光源として期待されている.今世紀に入り,共振器を用いずに高利得のシングルパス増幅で,ピークパワーの大きなパルスX線を発生させるための施設が,欧米ならびに日本で建設されるようになった.得られる光は自己増幅自発放射(SASE)光と呼ばれる.レーザー生誕後50年経った今,米国ではX線のSASE光の発生に成功し,日本でも建設の最終段階に入っている.さらに,FEL媒質に外部から種光を注入するなどし,縦モードが制御された「X線レーザー光」を発生させる方法が模索段階に入っている.本稿では,XFELの原理と方式を,その開発の世界の動向を交えながら紹介し,いよいよ現実のものとなるXFEL利用実験の展望に触れる.