2011 年 80 巻 9 号 p. 803-807
色素増感太陽電池は,一方の導電ガラス上に,焼成によって作成され,内表面に色素が担持されている数十ナノメートルオーダのチタニア多孔質膜を有し,対極となる他方の導電ガラスとの間にI-/I3- の酸化還元反応を起こす電解液が満たされた構造を有する湿式太陽電池である.本稿では,金属ナノ粒子の局在表面プラズモンにより形成される近接場光の局所電場増強効果を利用し,色素のMLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移による光キャリヤ生成を促進し,光電流の増加によって色素増感太陽電池の光電変換効率が向上した結果について述べる.また,これらの変換効率の向上には,金属ナノ粒子の表面修飾物が大きな役割を果たしていることがわかった.