応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
光照射による空気からの水の凝結
光人工降雨,光人工雲は可能か?
吉原 經太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 82 巻 1 号 p. 51-54

詳細
抄録

紫外光を湿潤空気に照射することによって水滴または水のエアロゾルを生成させることができる.水銀灯(185nm),ArFレーザー(193nm)およびKrFレーザー(248nm)によって生じる水粒子を,光散乱と微分型移動度分析器で実験室において観測した.反応は酸素の光解離によって開始し,さらなる後続反応によって凝結核(または凝集核)となる過酸化水素が生じ,これが凝結核となることを提案した。また,最近欧州で行われた高出力フェムト秒レーザーによる異なった機構の水滴生成について解説した.これらの研究は初期的段階にあり,気象学や環境科学との連携が必要な新しい分野である.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top