2013 年 82 巻 2 号 p. 150-153
氷結晶の表面は融点以下でも融解し,擬似液体層が生成する.擬似液体層は融点近傍の温度で氷結晶の表面特性を支配するが,その動的な挙動を実験的に明らかにすることはこれまで困難であった.そこで我々は,氷結晶表面の単位ステップ(0.37nm高さ)を直接可視化できる光学顕微鏡を用いて,氷結晶の表面融解過程の直接可視化を試みた.そして,形態とダイナミクスが全く異なる2種類の擬似液体層が出現することを見いだした.2種類の擬似液体層は氷結晶底面上で動き回り,合体を繰り返した.擬似液体層についてのこのような描像は,1種類の擬似液体層が氷結晶上で均一に生成する,とするこれまでのものとは全く異なる.