応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
82 巻, 2 号
『応用物理』 第82巻 第2号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
今月のトピックス
巻頭言
企画の意図
総合報告
  • 魚崎 浩平
    2013 年82 巻2 号 p. 106-116
    発行日: 2013/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    多くの重要な過程が固体/溶液界面で起こっているが,その過程を理解するためには,固液界面の幾何・電子・分子構造を,反応が起こっているその場で原子・分子レベルで評価することが不可欠である.しかし,溶液の存在のために、真空中での表面構造解析の強力な武器である電子顕微鏡などの手法を用いることができない.ここでは固液界面に適用可能な代表的手法(走査型プローブ顕微鏡,放射光利用X線技術,非線形分光法など)を概説し,金単結晶電極表面へのPdの電析を例に種々の手法を複合的に利用することの重要性を示した.

解説
最近の展望
研究紹介
  • 一杉 太郎, 清水 亮太, 大澤 健男, 岩谷 克也
    2013 年82 巻2 号 p. 141-145
    発行日: 2013/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    機能性酸化物.この言葉を聞くだけで心踊らせる研究者は数知れない.酸化物研究の最大の魅力は,電子や格子の複雑な作用により多彩な機能が発現し,さらに,驚くべき物性が“いまだに”発見されるという点である.新奇物性探索の大きな原動力が薄膜作製技術であり,それを駆使して薄膜,ヘテロ構造や表面・界面において新機能を引き出すことが先端研究となっている.その薄膜作製の際に,酸化物の成長を原子スケール分解能でその場観察することにどのような意義があり,どのような結果が得られるのか.それを我々の研究結果を基にここで論じ,この研究の将来性の豊かさを強調する.

  • 桑畑 進, 上松 太郎, 津田 哲哉
    2013 年82 巻2 号 p. 146-149
    発行日: 2013/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    イオン液体は,常温でも液体状態の塩である.蒸気圧が極端に小さいため,真空下でも蒸発することはない.そこで,イオン液体を走査型電子顕微鏡(SEM)の中に入れて観察したところ,全く帯電せずに観察することができた.この発見を契機に,イオン液体中で電気化学反応を行わせ,それをSEMによってその場で観察する方法の開発を行っている.その研究の流れと,観察方法の基本的な原理と技術を概説する.

  • 2種類の擬似液体層の出現
    佐﨑 元, ゼペダ サルバドール, 中坪 俊一, 古川 義純
    2013 年82 巻2 号 p. 150-153
    発行日: 2013/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    氷結晶の表面は融点以下でも融解し,擬似液体層が生成する.擬似液体層は融点近傍の温度で氷結晶の表面特性を支配するが,その動的な挙動を実験的に明らかにすることはこれまで困難であった.そこで我々は,氷結晶表面の単位ステップ(0.37nm高さ)を直接可視化できる光学顕微鏡を用いて,氷結晶の表面融解過程の直接可視化を試みた.そして,形態とダイナミクスが全く異なる2種類の擬似液体層が出現することを見いだした.2種類の擬似液体層は氷結晶底面上で動き回り,合体を繰り返した.擬似液体層についてのこのような描像は,1種類の擬似液体層が氷結晶上で均一に生成する,とするこれまでのものとは全く異なる.

  • 西舘 泉
    2013 年82 巻2 号 p. 154-157
    発行日: 2013/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    拡散光を利用した分光計測は,丸ごとの生体や生きた細胞組織から得られる吸収・散乱スペクトル情報を解析することで生体の機能および構造情報を評価することができる.なかでも,定常白色光源を用いた拡散反射分光法(DRS)は簡易・安価な計測システムで実現可能であり,in vivo測定やイメージングへの展開も容易である.本稿では主に可視波長域の拡散光スペクトルおよび色彩情報に基づき,生体内の生理的変化に対する色素タンパク質(メラニン,ヘモグロビン)の挙動や細胞組織の構造変化をin vivoで評価するための方法について著者らの最近の研究を紹介する.

  • 田中 智子, 土井 厚志, ブランチャード フランソワ
    2013 年82 巻2 号 p. 158-161
    発行日: 2013/02/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    テラヘルツ(THz)波は,水や糖類,蛋白質などの生体高分子がこの帯域に特徴的な振動モードをもつことから,テラヘルツ波を用いたセンシングやイメージングへの応用研究が盛んである.バイオイメージング応用では高分解能に加えて,高速測定が要求される.本稿では,我々がバイオ応用を目指して開発してきたリアルタイムテラヘルツ近接場顕微鏡の動作原理,構成について紹介する.さらに,この顕微鏡を用いた測定例をいくつか紹介する.

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