2013 年 82 巻 3 号 p. 256-259
人類が利用しているエネルギーの約9割は化石燃料由来であり,原発代替で最も重要なことは,エネルギー源の9割を占める化石燃料の利用効率を大きく上げることである.太陽光発電などの現在脚光を浴びている再生可能エネルギー利用技術は,同じエネルギー源を利用する古代・中世技術に比べて多少効率がよくなったものの,依然として低効率で出力当たりの生態系負荷は大きく,効率向上と出力密度の画期的向上の技術革新がなければ主軸エネルギー源にはならない.エネルギーの最適ポートフォリオを可能にするような統合・制御技術の革新も期待される.