1980年代に始まった量子物理学におけるパラダイムシフトは,光と固体素子の最先端技術の融合を通して,量子情報関連分野を生みだした.それと同時並行的に進展した,原子をレーザー冷却して捕獲・制御する技術の進展は,気体のボース・アインシュタイン凝縮生成の成功によってマクロ量子多体系を自在に制御することを可能にし,いくつもの画期的な成果を生みだした.さらに最近では,量子多体系を1原子のレベルで観測・制御する実験技術が開発され,また,少数多体系を精密に制御する研究も進展している.本記事では,冷却原子気体の最近の話題と,それに関連した研究の一端を紹介する.