応用物理
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最近の展望
フェムト秒ファイバレーザーを用いたテラヘルツ技術
大竹 秀幸髙栁 順
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2014 年 83 巻 11 号 p. 907-911

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抄録

インターネットに代表される通信分野において,光ファイバはなくてはならない存在になっている.光ファイバをベースに構成されたシステムは外部からの擾乱(じようらん)に強く,さまざまな分野で信頼性の高いシステムを構成することが可能である.本稿では,この光ファイバをゲイン媒質と導波路に用いてフェムト秒光パルスを発生するフェムト秒ファイバレーザーについて概説し,その応用技術であるテラヘルツ波の計測事例として自動車部品の塗装膜における非接触多層塗装膜厚検査装置に関して述べる.福島第一原子力発電所の事故後,ガンマ線カメラを用いた放射性物質の分布の可視化技術が話題となっている.コンプトンカメラは,装置内部で起こった「コンプトン散乱」のプロセスを記録し,そのエネルギー・位置情報を用いて,コンプトン散乱の運動学からガンマ線の到来方向を求めるカメラである.1970年代の初頭に初めて提案されたコンプトンカメラは40年の開発の歴史を経て,ようやく実用化されつつある.この技術が開発されれば,数百keVから数MeVのガンマ線の領域で「写真」が撮れるようになり,ホットスポットの可視化ばかりではなく,医療や非破壊検査などのイメージングへの応用が期待される.本稿では,最新の半導体センサ技術を用いて開発されたコンパクトなガンマ線イメージング用のコンプトンカメラについて,その現状を述べる.

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© 2014 公益社団法人応用物理学会
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