森林利用学会誌
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速報
微細藻類を用いたのり面保護工の機能評価
新田 壮真今冨 裕樹江口 文陽徳永 冠哉
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2020 年 35 巻 2 号 論文ID: 35.97

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抄録

台風などによる林道や作業道ののり面の崩壊は数多く発生しており,林道,作業道に適用可能なのり面保護工において,より優れた工法の開発は急務である。近年,BSC 工法と呼ばれる微細藻類を用いたのり面保護工が開発された。本工法は藻類の繁茂により土壌表面の緊縛力を高め,支持力の上昇と早期緑化を図る手法であるが,林道や作業道における適用事例は数少ない。そこで本研究では林道および作業道における微細藻類を用いたのり面保護工の機能評価を行うために東農大演習林(東京都奥多摩町)内の林道と作業道において微細藻類施工区と無施工区を設置し,流出土砂量,植被率,相対光量子量等の経過観測を行った。その結果,流出土砂量は施工区にて無施工区と比較して両試験区とも積算流出土砂量が16%以上減少した。植被率は植生繁茂が大きくなる夏の時点で無施工区よりも施工区で1.5 倍以上大きくなった。また,微細藻類の繁茂は相対光量子量の影響を受けることが示されたが,以上の結果から光環境が十分でない林道および作業道においても微細藻類によるのり面保護工の効果が十分に発揮されると考えられる。

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