応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
83 巻, 11 号
『応用物理』 第83巻 第11号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
巻頭特別企画
焦点
今月のトピックス
今月号の概要
解説
  • 超低損傷プロセスによるインテリジェントナノプロセスの構築
    寒川 誠二
    2014 年 83 巻 11 号 p. 894-899
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    プラズマプロセスの進歩が半導体デバイスの微細化・高集積化を促進してきたと言っても過言ではない.しかし,ナノ領域に突入した半導体デバイスでは,プラズマから照射される電荷や紫外線などによる欠陥生成や損傷は,バルクよりも表面積の大きいナノデバイスの場合に特性を大きく劣化させるものである.そのため,プラズマプロセスにおいて電荷蓄積や紫外線照射損傷の抑制や制御を実現できる手法の開発は必要不可欠であり,筆者らの開発した中性粒子ビームはプロセス表面において原子層レベルで欠陥生成を抑制し,理想的な表面化学反応を室温で実現できる画期的な方法である.本手法を用いて革新的ナノデバイスの開発が進行している.

  • ロードマップはさておいて
    鳥海 明
    2014 年 83 巻 11 号 p. 900-906
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    Geを用いた電子デバイスは長い間忘れられた存在であったが,最近その研究が急速に盛んになってきている.これは,Siデバイスの限界がみえてきたということもあるが,Geを扱ううえでの難しさの理解が進み,それを克服する技術が開発されつつあることにもよる.本稿ではGeデバイスの何が問題であり,それをどのように克服できるか,またデバイスとしての性能を実際に向上させることができるかを我々のグループの研究成果に基づいて説明する.

最近の展望
  • 大竹 秀幸, 髙栁 順
    2014 年 83 巻 11 号 p. 907-911
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    インターネットに代表される通信分野において,光ファイバはなくてはならない存在になっている.光ファイバをベースに構成されたシステムは外部からの擾乱(じようらん)に強く,さまざまな分野で信頼性の高いシステムを構成することが可能である.本稿では,この光ファイバをゲイン媒質と導波路に用いてフェムト秒光パルスを発生するフェムト秒ファイバレーザーについて概説し,その応用技術であるテラヘルツ波の計測事例として自動車部品の塗装膜における非接触多層塗装膜厚検査装置に関して述べる.福島第一原子力発電所の事故後,ガンマ線カメラを用いた放射性物質の分布の可視化技術が話題となっている.コンプトンカメラは,装置内部で起こった「コンプトン散乱」のプロセスを記録し,そのエネルギー・位置情報を用いて,コンプトン散乱の運動学からガンマ線の到来方向を求めるカメラである.1970年代の初頭に初めて提案されたコンプトンカメラは40年の開発の歴史を経て,ようやく実用化されつつある.この技術が開発されれば,数百keVから数MeVのガンマ線の領域で「写真」が撮れるようになり,ホットスポットの可視化ばかりではなく,医療や非破壊検査などのイメージングへの応用が期待される.本稿では,最新の半導体センサ技術を用いて開発されたコンパクトなガンマ線イメージング用のコンプトンカメラについて,その現状を述べる.

  • 山崎 聡
    2014 年 83 巻 11 号 p. 912-916
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    ダイヤモンドは,高密度ドーピング膜が室温で低抵抗ホッピング伝導を示し,この伝導を使ったデバイス開発が行われている.この低抵抗ホッピング伝導を使うと,ダイヤモンドp型ボロンドープ膜のアクセプタ準位およびn型リンドープ膜のドナー準位が深くダイヤモンドが高抵抗であるという問題を克服できる.ホッピング伝導およびこのホッピング伝導を使ったデバイスには物理として未解決の問題が多い.また,ダイヤモンドの電子正孔再結合過程も,同じ間接遷移型半導体であるシリコンとは全く異なる.この再結合の機構の解明はダイヤモンド電子デバイスを理解するうえで重要である.本稿ではこれらの研究開発の現状を紹介する.

研究紹介
「分子調理」のおいしい世界
教育の広場
Student Chapterだより
分科会だより
feedback
Top