2014 年 83 巻 12 号 p. 1007-1011
ある最適な半導体材料に対して,電気陰性度,原子半径の大きく異なる元素をわずかに導入して作製した高不整合混晶材料では,本来のバンドギャップ中に新たなエネルギーバンドが形成されるため,計3つの光学遷移過程を創出できる.これにより,1つの材料でありながら光吸収の観点から太陽光スペクトルを幅広くカバーすることができるようになり,太陽電池の高効率化が期待されている.本稿では,II-VI族半導体ZnTeに酸素を微量添加した高不整合材料の創製と中間バンド型太陽電池への応用に関する研究について紹介する.