2014 年 83 巻 3 号 p. 218-221
光化学反応の中には,磁気力やローレンツ力ではなく,反応中間体ラジカルの電子スピンによる量子力学的な効果で,磁場の印加により収量が大きく変化する反応がある.筆者らは,このような光化学反応に対する磁場効果を精度よく,広い磁場領域において観測するため,ナノ・ピコ秒過渡吸収測定装置,超強磁場発生のためのビッター型パルスマグネット,数値解析プログラムなどの開発を行ってきた.本稿では化学反応に対する磁場効果の原理と磁場効果測定を利用したナノ反応場解析について概説する.さらに,スピントロニクス研究や有機デバイス開発への展開について述べる.