2014 年 83 巻 4 号 p. 262-267
ナノ構造シリコンをチャネル部とする立体構造トランジスタは,将来のデバイス構造として有望視されている.ナノ構造シリコンでは,電荷キャリヤへの量子効果が顕在化し,フォノン散乱の増大により熱伝導率も低くなる.そのため,量子効果やチャネル温度の上昇が,立体構造トランジスタの電気特性に及ぼす影響を考慮した素子設計が不可欠である.本稿では,はじめにナノ構造で顕在化する量子効果や界面/表面の効果などがトランジスタのキャリヤ輸送に及ぼす影響を概観する.その後,ジュール熱によるチャネル温度上昇の実験的評価,チャネル温度上昇が立体構造トランジスタのアナログ性能に及ぼす影響について,最近の進展を紹介する.