応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
ナノスーツ法:バイオミメティクスが拓(ひら)く電子顕微鏡観察の新地平
下村 政嗣針山 孝彦
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 84 巻 4 号 p. 334-337

詳細
抄録

ショウジョウバエの幼虫が細胞外に分泌し体表面を保護する粘性の細胞外物質(ECS)に電子線やプラズマを照射することで,高真空下でも乾燥することなく生きた状態で高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)観察が可能なことを見いだした.プラズマ照射によってECSが重合することでナノ薄膜が形成され,生体内部に含まれる気体や液体が保持されたためである.界面活性剤を生体表面に塗布しプラズマ重合したバイオミメティック・ECSでも生きたままでの高分解能SEM観察が可能となった.生きた状態でさまざまな生物の表面微細構造や,運動などの生態を直接観察できる「ナノスーツ法」を開発した.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top