2015 年 84 巻 4 号 p. 334-337
ショウジョウバエの幼虫が細胞外に分泌し体表面を保護する粘性の細胞外物質(ECS)に電子線やプラズマを照射することで,高真空下でも乾燥することなく生きた状態で高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)観察が可能なことを見いだした.プラズマ照射によってECSが重合することでナノ薄膜が形成され,生体内部に含まれる気体や液体が保持されたためである.界面活性剤を生体表面に塗布しプラズマ重合したバイオミメティック・ECSでも生きたままでの高分解能SEM観察が可能となった.生きた状態でさまざまな生物の表面微細構造や,運動などの生態を直接観察できる「ナノスーツ法」を開発した.