2016 年 85 巻 10 号 p. 856-862
青色InGaN半導体レーザーは,近年,プロジェクタやレーザー加工応用への直接的な光源として注目され,単一エミッタとしての高出力化においては,AlGaInP赤色半導体レーザー以上の出力レベルに達し,ビーム結合により数十Wの出力が実現されている.さらに,長波長化はすでに緑色に達している.同レーザーで励起した固体レーザーは,コヒーレント変換器として,あるいは高ピークパワーパルス動作,波長可変性などの高機能性を付加できるデバイスとして,従来の近赤外半導体レーザー励起固体レーザーを凌駕(りようが)する可能性を有している.本稿では,Pr3+ドープLiYF4固体レーザーを中心に開発研究動向を紹介する.