2016 年 85 巻 12 号 p. 1032-1036
恒星から来る光のスペクトルのドップラーシフトの測定によって地球型の系外惑星を発見するには,光周波数に対して10-9の分光精度が求められる.そこで,分光器のスペクトル基準となるレーザー周波数コム光源の開発を行った.12.5GHz間隔で1040〜1750nmの帯域,6日間連続測定での周波数変動0.2MHz以下のコム光源の開発に成功した.また,コム光を分光器に導入するために,スペクトル平坦(へいたん)化,非偏光化,モード雑音の除去などの光処理系を開発した.さらに,このコム発生技術を発展させた可変波長コム光源の状況についても報告する.